アドブロック戦争の行く末を考える(1)

マスコミもまとめブログもほとんど伝えない、静かなる大戦争

あなたは"アドブロック"という言葉を聞いたことがあるだろうか?

 

ネットを日常的に閲覧している人間なら殆どの人が「はい」と答えるのではないだろうか。

もちろん使ってるよ、という人も多いかもしれない。

 

アドブロックとは、ウェブサイト上の広告を消すアプリケーション、またはアドオン(ウェブブラウザの拡張機能)である。*1アドブロックはWindowsだけでなく、MaciOSandroidでも利用可能であり、簡単な設定だけで、ウェブサイト上の広告を"除去"することができる。

 

ロイター通信の調査によると、2016年、日本のアドブロック利用率は約10%。*2

 2013年の日本におけるインターネット広告費は、9381億円である*3

まだまだ右肩上がりの業界であろうから、現在は1兆円を超えているのではないか。

これら2つの数字を見ると、アドブロックの普及は、巨大産業に今現在起きている決して小さくない問題であるということがわかると思う。 

 

その割にはメディアでこの問題を取り上げられる機会が少なすぎないだろうか?

大手新聞が「アドブロックを使うべきではない!」という記事を書いたという話は聞いたことが無い。

2ちゃんねるではアドブロックを導入しよう!という話題で大量の書き込みがあることも多いが、

2ちゃんねるまとめブログはほとんどそれをまとめるということはしない。

 

これらの理由は当たり前のことだが、アドブロックという言葉の認知度が上がってしまえば

自分のサイトの広告の見られる量が減り、アフィリエイトの売上が減ることを知っているからである。

 

個人のブログ等を調べても広告を見せる側としてどう対処すべきか?という話かアドブロックの技術的な話を書いているものが多く、これからどうなっていくのかという内容のものは少ないように感じた。

そこで今回は、ネット広告とアドブロックの現状と未来について考えていきたいと思う。

 

 

*1:AdBlock,AdBlockPlus,μBlock,Adguardなど、様々な派生がある。総称としてコンテンツブロッカーという言葉もあるのだが、本記事では最も認知度の高い言葉であるアドブロックを使うことにする。

*2:

http://www.digitalnewsreport.org/

*3:

媒体別広告費|広告図書館 よりhttp://www.admt.jp/library/statistics/ad_cost/media.html